さるの茸日記
■9月〜 さるのキノコ採りは、9月中旬頃からが本番です。 夏キノコと言われるものもあって8月くらいから出ているらしいのですが、暑くてとても藪漕ぎ/急斜面上りは・・・ 9月上旬くらいは、 マスタケと、 トンビマイタケ(トビタケ)が見られます。 上の2つの写真は、成長しすぎで、ちょっと食べるのには向かない状態。 里山の秋のキノコの出始めは、 サクラシメジ(アカキノコ)と、 ホウキタケからです。 サクラシメジは、以前は割とたくさんとれたキノコなのですが、最近めっきり数が減ったような気がします。 肉厚で歯ざわりがよく、美味しいキノコです。 一方、ホウキタケも見つける頻度が減りました。珊瑚のような形になります。 ただし、類似の形状の毒キノコのあるので採取には注意が必要です。 奥山の方では9月中旬頃からマイタケシーズン到来です。 一株がデカイことが多いので1つ見つけられればラッキー。舞踊る(故に舞茸)。 最近では、栽培ものが出ているので身近なキノコではありますが、 天然モノは、やはり香りと歯ごたえがぜんぜん違います。天麩羅とかが美味しいんですよねー。 マイタケ探しに行くとたまに、ミズナラの倒木にシイタケが 生えていることがあります。 子供のころ実家でも栽培していました。でも何だか天然モノというだけで何か嬉しいですよね。 ミズナラの倒木は、倒れて1-2年って感じです。 また、たまにブナの倒木に生えているスギヒラタケのようなキノコを見つけます。肉厚はスギヒラタケよりもあり、 色も少し茶がかってます。味はスギヒラタケっぽい。 ウスヒラタケです。 木の香りがほんのりして、美味しいキノコです。 | ||||
■10月上旬〜 下の写真は左から、ヌメリイグチ?(アワコ)、 ハナイグチ?(ラクヨウ)かと思います。 同種ですが、早生で出るのが茶色っぽく(たぶんヌメリイグチ)て、後で出てくるのが黄色(たぶんハナイグチ) だろうか? 2006年は両方ありました。雑木林(クリ、ナラ)に生えます。 傘の裏はスポンジ状のあみあみです。煮物にいいかも。煮るとツルツルした感じになり、表現は良くありませんが、ナメクジの ような感じになります。ちょっとだけ土臭い感じもしますが、うまいですよ。一度煮てから、煮汁を切って、 白だし+お酒を入れて煮ます。食べるときには、大根おろしを入て。 左側写真のスギヒラタケ(スギワケ)は、 右側写真のナラタケ(サワモタシ) より1週間ほど早く出ます。どちらも割と陽の当たらないような沢付近に生えます。 スギヒラタケは、その名前の通り、杉の切り株に生えます。真っ白い茸で株に沢山生えるので見つけやすい茸です。 同じく白いのでも柄があるやつや、傘の裏がヒダ状になっていないものは違いますよ。味噌汁の具に向きます。少し歯ごたえがあり、 匂いはいいですが、これといって味はないです。 2004年食中毒騒ぎがあり、「毒きのこ」に認定されました。ちょっと気持ちが悪いので、最近見つけても採りません。 サワモタシは、沢の倒木、あるいは以前雑木林だったところを杉林にして 杉の葉や木が腐って黒く積み重なったようなところの草の下や杉の枯れ枝に生えます。生えているところにはワーッと生える ので、当れば大量にとれます。 傘の表の周囲に放射状の短い線が出ているのと、柄に袴をはいているのが特徴。知っている人に「これだ」と教えてもらう のが一番かな。 小さい内が上手い気がします。 納豆汁の具に最適です。少しヌルっとした感じで、柄の部分にしこしこした食感もあります。 正式名はナラタケらしいのですが、さるは未だに疑っています。それは、この後の時期に採れるシロボッコと呼んでいるものが ナラタケに該当するはずなのですが、そのシロボッコと見た目が若干異なるのと、生える場所が異なるからです。 2008年:昨年から行き始めたところで、サワモタシと ブナハリタケ、 ナメコを見つけました。 左がブナハリタケです。傘の裏側がカノシタ同じように針状になっていてブナの倒木などに生えてます。 右側がナメコです。これは栽培しているのが売られているので、説明の必要もないですね。 さるとしては、天然ナメコをまとめて取るのは初めてでした。 左側写真はアミタケ(アミコ)だと思います。 傘の表面がヌルヌルしていて、裏側はアミアミですが、他のイグチ系よりも網の目が粗い。これと似た茸でもっと 黄色っぽくてデッカクなるやつがあるのですが食べられないのがあるので注意が必要だそうです。 赤松のある雑木の下や草の根元に生えています。食べ方や食感は、ヌメリイグチに同じです。 煮ると紫色になります。 中央の写真は、前にも出ていたヌメリイグチ(アワコ)です。 時期と生える場所がちょっと違っているので、同種?と疑っています。 こちらは、マツ/クリ/カヤの生えた元畑で採取しています。 右側写真はベニハナイグチ だと思います。他のイグチ系との区別は、足の模様かなーと思います。傘の色は、赤茶色、裏はスポンジ状です。 柄に袴をはいていて、小さいときは傘と袴が白い幕でつながっています。マイタケの生える山で2010年大量に生えてました。 ヌメリイグチを採りにいくとたいていあるのが、ハツタケです。 | ||||
■10月中旬 2009年に初めて見つけて、その時は採らずにいましたが、2011年に再度見つけて食べてみました。 ヤマブシタケです。 とてもキノコに見えませんが、立ち枯れした木にポンと生えてます。大人の握り拳大です。 右の写真は、ハナビラタケ と言うらしい。2010年に初めて見かけて、当然「知らないキノコ」なので、採らずに帰ってきましたが、 たいそう美味しいキノコらしいです。ミズナラ、ヒバ、スギ等の混ざった山の中に生えてました。 | ||||
■10月下旬〜 採りに行くタイミングをずらすと、その年 全くお目にかかれない茸もあります。 こまめに足を運ぶことが、茸採りの成功の秘訣だそうそうです。本当に休みを取って行きたいくらいですが... 下の写真左側は、ナラタケ(シロボッコ)です。 クリ、ナラの木の朽ちたところに生えます。 中央の写真は、ヌメリササタケ(ヌウレンボウ)です。名前の通り、全体にヌッルヌルです。 傘の上の方は、茶色で、足の下の方が紫色がかっています。大きくなってくると、ヌメリ、傘の色、足の紫がいずれも薄く なります。ヌメリは煮てしまうとなくなります。 右側の写真は、キシメジ(キコナラ)です。松林に生えてます。傘は黄土色から黄色。 2002年に、さる的に新しいキノコに挑戦(試食)してみました。 左側の写真はムキタケです。 立ち枯れしたナラの木に生えてました。 いかにも、食べられそうに見えたので取って来て図鑑で確認しました。食べられます。表面の黄色い皮を向いて食べ ます。水に浸して表面をこすると剥けました。皮を向くと白いです。煮て食べましたがツルンとした食感 が結構いいかも。 右側の写真はカノシタです。いつも目にしていましたが、 周りの人から食べたと言う話を聞かれなかったので、取らなかったのですが。ついに取ってきてみました。食べました。 くせも無くうまかったです。マッシュルームのでっかいやつといった感じ。写真では白っぽいというくらいしか 分かりませんが最大の特徴は、 傘の裏一面に針状の突起があります。毒キノコ系に似たのがないので、安全です。 左側の写真はクリタケ(アカボッコ)です。 その名の通りナラやクリの木の、 切り株や洞などに生えます。10月中頃から11月にかけて見られる茸なのです。 洗うと傘に多少のヌメリが出ます。足の下の赤みがかった部分は硬いので、食べるときはかなり 切ってしまった方がいいでしょう。似たキノコで、木の株ではなく地面から出ていて、全体的にこの赤っ ぽい色(足の白っぽいところがない)のがあります。柄の部分から裂いて見て中身も全部同じ色なら食べられ ません。要注意です。 右側の紫がかったのはムラサキシメジです。 かなり寒くなった時期に時たまにあります。 鑑賞用にはいいのですが、かなり土臭いきのこです。茹でこぼししてからでないとチョット食べるのは... 最後に、下の写真はさるの地方ではコナラと呼んでいるキノコです。 たぶん、左側がシモフリシメジ、 右側がアイシメジ だと思います。 名前の通り、霜の降りるような10月後半から11月前半に生えます。さるはこの時期、ほとんどこのきのこを狙って山へはいります。 あまり沢山取れるきのこではなく、傘も黒っぽいので非常に見つけにくい部類です。 この茸は歯ごたえ、匂いが非常によく、お吸い物の具などに向きます。 「10月下旬〜」で紹介した茸はいずれも、赤松などの混ざったナラ、ブナ、クリなどの雑木林に生えます。松が無いと生えません。 ヌウレンボウとコナラは、斜面が急で落ち葉の間から少し地面が見えているようなところに生えます。 採ってきたキノコは、ごみを落とす程度に洗って、保存します。 虫が多く付いていたりする場合は、「虫出し」と称して塩水に漬けるといいそうです。 また、生はそんなに日保ちはしないので、煮てしまった方がいいのですが、 アカボッコ/シロボッコみたいに煮てしまうと出しが出ちゃって美味しくなくなるものもあるので、 キノコに合わせた下処理、食べ方をこころ掛けてください。 | ||||
■12月〜3月 こんな雪の積もっていう時期にキノコ?と思っていたのですが、最近、よく雪の降り始めの時期や 雪解けの時期に、朽ちた木/切り株に生えたキノコを見かけるようになりました。 こんな時期に生えて、見るからに食べられそうなキノコは、 たぶんエノキタケくらいのもんだろうと思っています。 売っている白くて細いエノキではなく、ちゃんとキノコっぽい色形をしてますよね。 | ||||
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2010/10/20〜